夫婦関係がうまくいかなくなって、相談に来られる方がおられます。
「もう一緒にやっていけない。別れよう」と言われて動揺し、焦って解決策を考えようとされます。
それでは、辛い気持ちを分かってもらえないと感じ、かえって不満が募ります。
原因について振り返ったり反省したりするのは大切ですが、それだけでは前に進めません。
関係がギクシャクしている時は、気持ちが傷ついていることが多いです。
寂しい、悲しい、がっかり、情けない、みじめ、虚しい、腹立つ……。
いろんな気持ちがあります。
理屈や説明で気持ちを動かすことはできません。
すぐにでもできるのは、相手の話をしっかり聞くことです。
話を聞くときは、自分の思いは横に置いておく。
聞いて理解したことを、「~と感じたんですね」「~と思ったんですね」と相手の思いを受け止めるのです。
相手は気持ちを「そのまま」聞いてもらえたことで、傷が癒されます。
じっくり聞く姿勢を示すことで、相手は自分の考えや気持ちを否定されないで安心して話せます。
現代は、お互いの話をじっくり聞く時間が持てなくなり、自分の不満を伝え、相手の不満を聞くということをしなくなっています。
相手に不満をぶつけられた時は、言い訳したり、ごまかしたりしないで、気持ちに耳を傾けましょう。
これを怠ると、不満が貯まって爆発したり、関係が疎遠になったりします。
育った環境、好みや価値観、性格の異なる2人が一緒に生活するためには、お互いの気持ちや考えを、伝え合うことが欠かせません。
会話が不足していることに気づいたら、今からでも遅くありません。
これは、親子関係、仕事の関係、友人関係でも同じことです。
話を聞くのは、意外と難しいものです。