親との葛藤から解放される

母が亡くなったとき、心にぽっかり穴が開いたような寂しさを感じました。

これが喪失感なのか。

母が自分の心の支えになっていたことに気付きました。

母との関係では幼いころから、かなりの葛藤を抱えていました。

「母のせいでこんな苦しい思いをする」。

長い間、母を責め続けていました。

しかし、いろんな経験をしながら乗り越えることができました。

10年前、「僕を産んでくれてありがとう」と伝え、和解しました。

徐々に衰えていく母の姿を見ていたので、いつかは別れがくるだろうと覚悟もでき、亡くなってもそんなに動揺しないだろうと思っていました。

ところが、意外と喪失感は大きかったのです。

自分の「命の源」を失ったような。

それと同時に、不思議な感覚に包まれました。

心がパッと晴れるような、まるで花が咲いたような。

命が手渡されたのを感じました。

棺の中にいる母に向かって、「よく頑張ったね。ありがとう」と伝えました。

親子関係で悩む人は多いです。

過保護、過干渉、無視された、放任された……。

でも、親だから、嫌ってはいけない、憎んではいけないと、自分を責めてしまう。

マイナスの感情は抱いてもいいんです。

それを親に直接伝えられないときは、人に聞いてもらうことで、ずいぶん楽になります。

葛藤から解放されるといいですね。