時計が壊れている

発達障害をもった人の多くが、先を見て計画的に行動するのが苦手です

次に何をするか、どこまでやったら終わりかといった、行動の見通しが立てにくいです

学校や職場では課題を期日までに仕上げられないことが多いです。

周りの人は、「どうして早めに行動しないのか?」、疑問を抱きます。

これについて、当事者の一人が次のように答えてくれました。

私の中の時計が、壊れている

戻すこともできない。

「早め早めに動けばいい」という次元ではなく、 「壊れている」という言葉がピッタリ。

そして、巻き戻せない。

世の中の時間に関して、感覚が本当につかめない。

「時計感覚」が狂っている。

だから、壊れている。

日本語が分からないのに日本語を話される感覚と似ている。

これが苦しんできた中で考え抜いた結論。

単純に針がないとか、電池切れとは違う。

自分の中では、自分のペースという名の時間がベースになっている。

だから、作られた時間にはなかなか従えない。

一つのことにのめり込みやすいのも影響しているけれど、

根本的に時間というものがわからない。

自分の時計を守りたいから、 お母さんに急かされると、「焦らさないで」と言う。

そのときに、人からあれこれ言われると、余計に狂わされる。

自分時計は一定ではない。

一定ならば、ずらして世間の時計に合わせられる。

でも、そのとき、そのときで、自分の時計は出来ていく。

戻すという概念ない。

常に先に進みながら、自分の時計ができていくから、

「世間時間」に合わせようと、すごく苦しい。

こんな「自分時計」だから、世間の時間通りに行動できない。

だから、人との約束も、時間が守れない。

人を待たせたりすることが多くなる。

コミュニケーションが取りづらくなり、 人もイライラするし、自分もイライラする。

こんなことを語ってくれました。

その壊れた時計を抱える人たちに寄り添うゆとりを優しさを持ちたいものですね。