わたしに注目して

一人の女性が、子どものころの話をしてくれました。

幼稚園で、

「〇〇さんは、〇〇さんは、どこでしょう」

「こっこです、こっこです、ここにいます」と歌うのが、

とても好きだったそうです。

相手を指さして、「〇〇さんは、〇〇さんは、どこでしょう」

自分を指さして、「こっこです、こっこです、ここにいます」

大きなジェスチャーで、とても楽しそうに歌ってくれました。

「今でも、好きなんですね」と言うと、にっこりして、「でも、先生が、なかなかやってくれなかったんです」と付け加えました。

先生がこれをやってくれるのを、いつも待っていたそうです。

「どうして、そんなに好きだったんですか」と聞くと、

「わたし個人をとりあげてもらいたかった」と話しました。

子どもは「自分に注目してほしい」という欲求を強くもっているんだなあと、
改めて感じました。