NHKハートネットTVで、就職支援NPO代表 黒沢一樹さんが紹介されていました。
そのなかで、「最悪から逃げろ」という言葉がとても印象的でした。
親や学校の先生に、「将来やりたいことは?」と聞かれて、答えられずに困る人が多いと思います。
黒沢さんは言います。
やりたい仕事がないとき、「やりたい仕事」を探すのではなく、「絶対やりたくない仕事」を考えよう。
「こうなりたい自分」を探すのではなく、「絶対なりたくない自分」を考えよう。
「絶対やりたくないこと」を避けれたら、そこそこ満足できる生き方ができる。
これはとてもおもしろい考え方だと思います。
逆転の発想です。
夢や目標を持てる人は、そのことが自分を引っ張ってくれますが、
それができない人は、夢や目標のない自分はだめなんじゃないかと思ってしまいます。
「絶対やりたくないこと」を見つけるのは難しくないです。
この考え方は一見、ネガティブに見えますが、実はとてもポジティブだと思います。
ある高校生のことを思い出します。
その人は、大学に進学したいけど、特にやりたいことがないので、進路を決めるのに困っていました。
その様子を見て、親御さんは「消去法」で決めることを提案しました。
そうすると、2つの学部が残り、最後に1つの学部に絞り、そこに進学しました。
今では、大学を卒業して働いていますが、仕事にも満足しているようです。
私自身は、いつも、やりたいことに向かって生きてきたので、
夢や目標を持つことがやる気を起こすと思っていました。
ところが、この高校生に出会ってから、進路を「消去法」で決めるのも悪くないと思うようになりました。
「子どもが何をやったらいいかわからない」と心配する親御さんに会って、「消去法」もありますよと話すと、ほっとされます。
黒沢さんの話を聞いて、「最悪の人生は何か」、私自身に問ってみました。
答を見て、なるほどと、うなずきました。とてもよく当たっていました。
私は何回か転職したのですが、どの仕事でも、「これは嫌だ」というものがあり、それを避けるために、あがいていたのがわかりました。
「最悪を避ける」生き方は、生きる原動力になります。
自分の生き方を肯定する、とても現実的な方法だと思います。
「何をやりたいかわからない」と困っている方がおられたら、是非、この方法を取り入れてみてください。