心理カウンセラーとして働きながら、聴くことの奥深さを実感しています。
話を聴くためには、相手が感じたり考えているように聴く必要があります。
これが簡単ではない!
相手の話を、自分が感じているように、考えているように聞くことがしばしばあります。
例えば、友人が「離婚しようと思います」と言ったとします。
「離婚したらどうやって生活するんだろう」とか、「子どもはどうなるんだろう」といった不安が生じると、話を落ち着いて聴けなくなります。
その人は、これまでなかなか離婚に踏み切れず、さんざん迷ったあげく、やっと決断できて、気持ちが楽になっているのかもしれません。
自分の思いにとらわれていると、相手の話を正しく理解することができません。
人の話を、「自分の考えや気持ち」ではなく、「相手の考えや気持ち」に添って聴く。
こちらの世界で話を聞くのではなく、相手の世界で話を聴く。
ところが、私たちは相手の世界をよく知らないので、これは簡単なことではありません。
わかったつもりにならないで、慎重に話を聴く必要があります。
わからないことを聴いたり、わかったことを確認する作業を、粘り強く続ける必要があります。
夫婦や親子など親しい関係で、コミュニケーションに問題が起きやすいのは、相手の話を「わかったつもりになる」からです。
相手の話をしっかり聴くことができるようになると、相手も自分の気持ちや考えをよく理解できるようになります。
わかったことをフィードバックしてもらったり、わからないことを尋ねてもらうことで、自分について新しい気づきが生まれます。
聴くことは、とても深く、魅力的な作業です☆☆☆