自分を否定する癖に気づく

私たちは、自分について否定する癖があるようです。

一人の男性は、浪人時代、やる気が出ず、食べては寝る、無気力な生活を送っていました。

その後、大学を卒業して社会人になったのですが、当時を思い出すと情けない気持ちになっていました。

ところが、カウンセラーにこの話をしたとき、「その少年は、一生懸命生きようとしていたんですね」という言葉が返ってきました。

男性はこれを聞いて、天と地がひっくり返るような衝撃を覚えました。

それまでの「無気力で情けない」自分のイメージが、「生きようと懸命に闘っている」姿に変わって見えたのです。

カウンセリングでは、このようにカウンセラーの何気ない一言を聞いて、ハッと気づくような瞬間があります。

ある女性は、「自分はバカです」と発言することが度々ありました。

僕は、なんで自分のことをそんなに悪く言うんだろうと不思議に思って、「バカと言うことが多いですね」と言いました。

彼女はそれを聞いて驚きました。

無意識に口にしていたからです。

指摘されて、「自分はバカ」とか「自分はダメ」と言う癖があるのに気づきました。

「私は、いつも自分を悪者にして、なにもかも解決していました。自分が悪いと瞬間的に思って処理していました。自分にもいいとこがあるのに、この癖がある限り、打ち消されてしまうのです」

人は自分について否定的な発言をする度に、否定的なイメージが強化されていきます。

「自分はダメな人間だ」と言うと、ダメな人間に思えてきます。

「自分は頑張っている」と言うと、頑張っている人間に思えてきます。

自分を否定すると、情けない気持ちになります。

元気がなくなります。

このような癖に気づいたら、自分を否定する言葉を肯定的な言葉に変えてみましょう。