「あの時、ああしとけば良かった」
「〇〇さえなかったら(あれば)、自分はもっとできるのに」
「自分がやってしまったことが許せない」
「生まれ変わって、人生をやり直したい」
うまくいかなかったことを思い出しては後悔する人がいます。
これは今から30年近く前、私がグループカウンセリングを受けたときの話です。
高校卒業後の浪人生活でやる気がまったく起きなかった時のことを、とても情けない気持ちで話しました。そのとき参加者の一人から思いがけない言葉が返ってきました。
「その少年は懸命に生きようとしてたんですね」。
この一言に、全身を揺さぶられるような衝撃を覚え、しばらく涙が止りませんでした。このときまで、無気力な状態ばかりに目を向けていたので、「情けない存在」にしか思えませんでした。ところが、この一言で、「無気力な状態から抜けだそうと懸命に闘っている存在」に変わったのです。
過去のことでも自分を否定的に見ると、元気がなくなります。
勉強、仕事、病気、家族、人間関係……うまくいかないことがあったけど、なんとか生き抜いてきた。
見方を変えると自分が肯定的に見えます。
否定的に見るぐらいなら終わったことを思い返さない方がいいです。
うまくいかないことがあると過去に原因を探したくなりますが、それをしても問題の解決につながらないことがあります。
結果は良くなかったけど、精一杯やった。
「結果」で「過程」を否定しない。
過去の出来事を思い出して後悔するとき、かなりのエネルギーを使います。
後ろ向きにエネルギーを使うので、今を生きる力がなくなります。
飛行機が逆噴射して減速するように、前に進まなくなります。

過去のことについて思い悩むのを止めると、エネルギーが溜まり、前に向かう力が湧いてきます。
今をもっと生きれるようになります。