僕は長い間、「楽しめない人」でした。
趣味や好きなことを聞かれると、憂うつになっていました。
趣味を持っている人が羨ましかったです。
15年ぐらい前に大きな病気を患ったとき、ストレスが主な原因であることに気付きました。
どうやってストレスを減らすのか?
行き着いたのが、「楽しむ」ことでした。
それまで、なんでも「必死に」やる癖がありました。
家族でキャンプに出かけるときも、計画段階から予約をとったり道具を揃えたり、現地では設営したり調理したり、終盤に近づくと撤収して……、いつのまにか「遊び」が「仕事」になっていました。
職場でも手を抜かず、とことんやりました。
成果を出して周りから高く評価されましたが、僕自身は満足していませんでした。
目標に向かってやり遂げるのですが、「達成感」を味わえないのです。
長い階段を苦労して上って目標地点に到達しても、ほっと一息つくこともなく、すぐに次の目標を見つけて階段を上り始めました。
「テールランプがない。ヘッドライトしかないんですね」と言われたこともあります。
自分には「満足する」ことが不足していると感じ、毎日寝る前にその日「よかったと思うこと」を一つ書くことにしました。
![](https://niji-counseling.com/nijihome/wp-content/uploads/2024/08/f4583bd9dffe1911c54c3e8651351a42.jpg)
「満足訓練日記」と名付けました。
一つを見つけるのに苦労する日も多かったですが、続けるうちに自分の欲求や感情のさざ波を感じるようになってきました。
「こうしたい」と思ったら、できるだけ、すぐに実行するようにしました。
例えば、あるイベント会場に行って「おもしろくない」と感じたとき、サッと出ました。
それまでだったら「チケット代がもったいない」と思って最後まで辛抱していました。
次第に、見たり聞いたり体験したりすることに心が躍るようになりました。
それまでは、楽しむために「何かしよう」としていたのですが、「今ここにいる」のが楽しいと感じるようになりました。
楽しんだり満足するために、特別なことをしなくていい。
僕にとって大きな発見でした。