「問題の根っこの部分なんとなく分かっているけど……、認めたくない。どうすればいいか分からない」と言う人がいます。
自分の性格や人間関係について長期間悩み続けると、自分について考えることが多くなり、分かっている気になります。
ところが、気持ちは晴れない。
こんな状態でカウンセリングに来る人は、自分をなんとかしたいと思う反面、「話して変化するのか?」と疑問を抱きます。
そのような人に僕は、
「自分を主人公にして、新しい本を書いてみませんか?」
と語りかけます。
「これまで、あなたが自分について書いた物語を書き換えるのです。
こういう自分を思い描いてきたのですが、それでは生きづらかった。
ここで話すことで、自分について違った物語が生まれます。
自分を主人公にして違う本を書いてみましょう」と。
自分自身について分かっているつもりで、偏った見方をしていることがあります。
自分の性格やこれまでの人生について否定的に見ていたり、
大切な部分から目を背けたりしていると、
自分のことが認められないので元気がでません。
カウンセラーは話を聞いて、その人の「強み」を引き出そうとします。
過去の出来事を後悔したり、将来に不安を抱くより、今に立ち向かえるように導きます。
その人の持つエネルギーをポジティブな方向に向けようとします。
そうすることで、自分についての新しい見方が生まれ、元気が出てくるのです。