子どもの気持ちを感じる

Aさんの子どもは、学校へ行ったり行かなかったりしていましたが、発表会には参加したくて事前の準備にはがんばって登校していました。

 

ところが、発表会当日、失敗するのを恐れて欠席しました。
両親は、発表会に出ることが子どもの自信につながるのではと期待していました。
それだけに、欠席したことにとてもがっかりしました。

 

 

その日の夕方、Aさんは妻を誘って、外で夕食をとることにしました。
そのまま家に帰ると、自分のがっかりした気持ちを子どもに伝えてしまう、それはしたくないと思ったからだそうです。

 

夫妻は食事をしながら、がっかりした気持ちを語り、子どもにどのように接していくかについて話し合いました。
そうすると、Aさんは、最初はただ落胆していたのですが、少しずつ、子どもの気持ちがわかるようになっていきました。
これまで失敗を重ねてきて、今度こそ成功させようと努力してきたのに、うまくいかず、どれだけがっかりしているか。
子どものつらい気持ちを察することができるようになりました。

 

悲しそうな子

 

Aさんは気持ちを穏やかにして家に帰ったそうです。

 

親は子どものことで喜んだり落胆したりします。
しかし、子どもの前で親の感情をどのように表現するかについては、かなりの配慮が必要です。

 

子どもが喜んでいるときに親が喜ぶのは問題ありません。
ところが、子どもが悲しんでいたり落胆しているときに、親が悲しんだり落胆したりすると、子どもは混乱します。

 

子どもがつらい気持ちになっているとき、親が子どもの気持ちをそのまま受け止めることで、子どもは自分の気持ちに向き合うことができます。

 

親が悲しんだり落胆したりショックを受けているのを感じると、子どもの意識は親の方に向かいます。

 

子どもに対して親が自分の気持ちをうまくコントロールすることが、子どもの成長にとってとても大切だと思います。